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知的財産権・知的資産

著作権(財産権)という権利について

著作物の一部分だけをコピーする場合、複製に当たらないのではないでしょうか?また、複製物を無償で配布するときにも、複製の許諾は必要なのですか?

前段の質問については、複製に当たる場合と当たらない場合とがあります。後段の質問については、原則として許諾が必要となります。
著作権は、その一部分が著作物としての価値を持つ限り、部分複製にも権利が及ぶと考えられますので、無許諾で部分複製を行った場合、複製権の侵害となります。しかしながら、一定の条件を満たす場合には、複製権の侵害とはならない場合があります。例えば、複製する部分が単なる事実を述べたもの、私的な使用を目的とする場合などです(著作権法第30条以下の制限規定など)。
一方、複製物の配布が無償か有償かということとは関係なく、著作権者の許諾のないものを複製、配布することは違法だと思われます。したがって、複製物を無償配布する場合であっても、著作権者に「複製・譲渡」の許諾を得る必要があります。
ただし、著作権者が、無償で配布することを認めている場合には、この限りではありません。

参照条文:著作権法第21条、第30条~第50条(制限規定)

(公社)日本複写権センターについて教えてください。

(公社)日本複写権センターは、複写に係る権利を集中管理し、複写使用料を徴収し、権利者に分配する目的で作られた社団法人です。
著作物の複写 (コピー) は、原則として、著作権者の許諾を得て行う必要があります。しかしながら、個々の著作権者の連絡先を調べ、個別に許諾を得ることは容易なことではありません。(公社)日本複写権センターは、このような煩わしい手間や手続きを解消することを目的とし、利用者の利便を図り、かつ法律を遵守し著作権者の権利を保護する目的で、コピーに関する権利を集中的に処理するために設立された組織です。
このセンターでは、権利者団体から著作権の委託を受け、複写の使用者との個別の複写許諾/使用料徴収を行う他に、企業・団体など複写機を設置した組織と包括契約を結び、それによって年額単位での複写使用料を受け取り、これを権利者団体に分配しています。また、国内の著作権だけではなく、海外の同様の団体とも提携を図っています。

著作権法にはどのような権利が定められていますか。

著作物の著作者、著作物を伝達する実演家、レコード製作者、放送・有線放送事業者などが保有する権利が定められており、以下の権利を含みます。
著作権法では大きく分けると、(1)「(著作者の権利としての)著作権」と、(2)「著作隣接権」の二種類の権利が定められています。

(1)(著作者の権利としての)著作権

人格的利益の保護に着目した「著作者人格権」と、財産的利益の保護に着目した「(財産権としての)著作権」に分かれ、それぞれ以下の権利が定められています。

著作者人格権土建 公表権 未公表の著作物を公表するか否か、および公表するとすれば時期や方法を決定する権利
氏名表示権 著作物を公表する際に著作者名を表示するか否か、および表示するとすれば実名(本名)か変名(ペンネーム等)かを決定する権利
同一性保持権 著作物の内容や題号を意に反して改変(変更・切除)されない権利
(財産権としての)著作権 複製権 著作物を有形的に再製する権利
上演権・演奏権 著作物を公に上演または演奏する権利
上映権 著作物を機器を用いて公に上映する(スクリーンなどに映し出す)権利
公衆送信権 著作物を有線・無線を問わずあらゆる送信形態で公衆に送信する権利
公の伝達権 公衆送信された著作物を受信装置(テレビなど)を用いて公衆に見せたり聞かせたりする権利
口述権 言語の著作物を朗読などにより口頭で公に伝達する権利
展示権 美術の著作物と未発行の写真著作物の原作品(レプリカは含まない)を公に展示する権利
譲渡権 著作物(映画の著作物を除く)の原作品または複製物を公衆に譲渡する権利
貸与権 著作物(映画の著作物を除く)の複製物を公衆に貸与する権利
頒布権 映画の著作物の複製物を公衆や劇場、放送事業者等に譲渡または貸与する権利
二次的著作物創作権 著作物を翻訳、編曲、変形、脚色、映画化、その他翻案する権利
二次的著作物の利用権 二次的著作物の原著作物の著作者が二次的著作物の利用に関して行使できる権利

※その他、著作権法第79条では、複製権を有する者は、著作物を文章または図書として出版することを引き受ける者に対し、出版権を設定することができるとされています。

(2)著作隣接権

「実演家」、「レコード製作者」、「放送事業者・有線放送事業者」など著作物を「伝達する者」に付与される権利であり、それぞれの権利者ごとに以下の権利が定められています。

1. 実演家の権利

実演家人格権 氏名表示権 実演の公衆への提供または提示の際に実演家名を表示するか否か、および表示するとすれば実名(本名)か変名(芸名等)かを決定する権利
同一性保持権 実演について無断で名誉・声望を害するような改変(変更・切除・その他の改変)をされない権利
(財産権としての)著作権 許諾権 録音権・録画権 実演を録音または録画する権利
放送権・有線放送権 実演を放送または有線放送する権利
送信可能化権 実演の自動公衆送信が行われうる状態(サーバーにアップロードする等)を作り出す権利
譲渡権 実演の録音物または録画物を公衆に譲渡する権利
貸与権など 実演が録音された商業用レコードを公衆に貸与する権利(最初に販売された日から1年間を超えない範囲に限り貸与権を有し、その期間経過後は、貸レコード業者から報酬を受ける権利(報酬請求権)に変わる)
商業用レコードの二次使用料請求権 商業用レコードの放送・有線放送(同時再送信を含む)について使用料を請求できる権利
有線放送による同時再送信における報酬請求権 生の実演を含んでいる放送を受信して同時に「有線放送」する場合の報酬請求権

2. レコード製作者の権利

許諾権 複製権 レコードを複製する権利
送信可能化権 レコードの自動公衆送信が行われうる状態(サーバーにアップロードする等)を作り出す権利
譲渡権 レコードの複製物を公衆に譲渡する権利
商業用レコードの二次使用料請求権 貸与権など 商業用レコードを公衆に貸与する権利(最初に販売された日から1年間を超えない範囲に限り貸与権を有し、その期間経過後は、貸レコード業者から報酬を受ける権利(報酬請求権)に変わる)
商業用レコードの「放送」「有線放送」(同時再送信を含む)について使用料を請求できる権利

3. 放送事業者の権利

許諾権 複製権 放送またはこれを受信して行う有線放送を録音・録画または写真撮影によって複製する権利
再放送権・有線放送権 受信した放送を再放送・有線放送する権利
送信可能化権 放送またはこれを受信して行う有線放送を受信し、その放送を自動公衆送信が行われうる状態(サーバーにアップロードする等)にする権利
テレビ放送の伝達権 テレビ放送またはこれを受信して行う有線放送を受信し、その影像を拡大する特別の装置(超大型テレビ等)を用いて公に伝達する権利

4. 有線放送事業者の権利

許諾権 複製権 有線放送を録音・録画または写真撮影によって複製する権利
放送権・再有線放送権 受信した有線放送を放送・再有線放送する権利
送信可能化権 有線放送を受信し、その放送を自動公衆送信が行われうる状態(サーバーにアップロードする等)にする権利
有線テレビ放送の公の伝達権 有線放送を受信し、その影像を拡大する特別の装置(超大型テレビ等)を用いて公に伝達する権利

送信可能化権:有線放送を受信し、その放送を自動公衆送信が行われうる状態(サーバーにアップロードする等)にする権利
許諾権・有線テレビ放送の公の伝達権:有線放送を受信し、その影像を拡大する特別の装置(超大型テレビ等)を用いて公に伝達する権利

参照条文:著作権法第18条-第28条、第89条~第100条

テレビドラマを録音・録画する場合、どのような権利者に許諾を得ればよいのですか?

私的使用のための録音・録画など権利が制限される場合を除いて、ケースごとに各著作権者および著作隣接権者からの許諾が必要です。
個人的に、または家庭内その他これに準ずる限られた範囲内で、鑑賞することを目的に録音・録画する場合は、「私的使用のための複製」に該当しますので、著作権者および著作隣接権者の許諾なしにこれを行うことができます。また、その他著作権法に定める「権利の制限」規定(著作権法第30条~第50条)に該当する場合も許諾を必要としません。それ以外の使用目的で録音・録画する場合は、以下のケースごとにそれぞれの権利者からの許諾が必要です。

1. ドラマの制作者が放送事業者である場合

以下の権利が関係します。ドラマ(映画)の著作権、原作小説や脚本の著作権、俳優など実演家の録音・録画権、放送事業者の複製権等。また、ドラマの中で美術、写真等の著作物が利用されている場合は、それら著作権者の複製権が働きます。さらに音楽CDなどをBGMとして流している場合は、音楽著作権者の複製権、歌手や演奏家など実演家の録音権およびレコード製作者の複製権も働きます。

2. ドラマの制作者が下請けプロダクションなど外部者である場合

映画の著作物と同じ扱いとなります。すなわちこの場合、放送事業者の複製権、著作権者等の複製権は同様に働きますが、実演家の録音・録画については制作段 階で許諾を得ているので、以後の録音・録画においては権利が働かないため、許諾は必要ありません(ワンチャンス主義)。つまり、関係する権利は、ドラマ(映画)の著作権、原作小説や脚本の著作権、美術、写真等の著作権、音楽の著作権、レコード製作者の著作隣接権(複製権)、放送事業者の著作隣接権(複製権)等です。

参照条文:著作権法第21条、第30条第1項、第91条、第93条1項、第96条、第98条

写真をもとにイラストを作成し、それをTシャツにプリントして販売しようと計画しています。著作権の侵害になりますか?

無断で行えば、翻案権もしくは複製権侵害に当たります。
写真は、例えば証明写真のように創作性があるとは認められないものを除き、一つの著作物であると考えられます。その写真をもとにイラストを作成する場合は、一般に写真の著作物の翻案に該当し、出来上がったイラストは写真の二次的著作物(美術の著作物)になると考えられます。この二次的著作物であるイラストをTシャツにプリントして販売するには、原著作物である写真の著作権者の許諾が必要です。無断でこれを行えば、翻案権侵害に当たります。また写真を写実的に描写したイラストを無断でプリントする場合は複製権侵害に 当たります。

参照条文:著作権法第10条1項8号、第21条、第27条

家族内など特定かつ少数の人の前で演じたり、演奏したりする場合にも、上演権や演奏権は働きますか?

上演権や演奏権が働くことはありません。
上演権や演奏権は、著作物を公に上演または演奏する場合に働きます。公の上演や演奏とは、不特定または特定多数の人に直接見せたり、聞かせたりすることを目的として行うことを指します。したがって、家族や親密な友人などの特定少数の前で行う上演や演奏は、公の上演または演奏に該当しません。これは生の上演や演奏だけでなく、録音・録画されたものを再生する場合であっても同様です。

参照条文:著作権法第2条第1項第16号および第5項および第7項、第22条

喫茶店等で音楽CDを音源として音楽を流す場合、著作権の許諾は必要ですか?

著作権者の許諾が必要です。
旧著作権法ではレコードを公衆に聴かせるには、出所を明示していれば著作権者の許諾は必要ありませんでした。1970年に現行法に改定される際にも社会的な影響を考慮し、経過措置として当分の間旧著作権法の規定が有効であるとしていたため(著作権法附則14条)、喫茶店やデパートなど公共の場でも、音楽レコードやCDをBGMとして流すことが可能でした。
しかし、この附則14条は日本も加盟している世界的な著作権条約であるベルヌ条約に違反しているとの疑いもあり、1999年の法改正によって廃止され、翌2000年からはレコードやCDを公衆に聴かせる際にも著作者の演奏権が働くようになりました。
したがって、このCDに収録されている音楽がすでに著作権の保護期間を過ぎている場合を除き、喫茶店内でBGMとして流すには著作権者の許諾が必要です。著作権がJASRACに信託譲渡されている場合には、JASRACから許諾を得る必要があります。

参考条文:著作権法第21条、第22条、第91条、第96条

友人の撮った写真を自分のホームページにアップロードしようと思いますが、問題ありませんか?

無断でホームページにアップロードすることは公衆送信権侵害となります。
友人の撮った写真に創作性が認められれば、それは著作物に当たります。そして著作権法上、著作者である友人には著作物を無断で公衆に送信されない権利(公衆送信権)があります。この公衆送信権は、著作物を公衆向けに「送信」することに関する権利であり、公衆向けであれば、無線・有線を問わず、あらゆる送信形態が対象となります。特に、ホームページのように受信者がアクセスした著作物だけが、手元に送信されるような形態を「自動公衆送信」といい、これについては著作権法上、特別な取り扱いをしています。すなわち、サーバー等の自動公衆送信装置からの「送信」だけでなく、その前段階の行為である、インターネット上のサーバーに著作物のデジタル情報をアップロードすることを「送信可能化」といい、これも規制の対象としています。つまり、無断でアップロード(送信可能化)すると、まだ受信者への送信が行われていなくても、公衆送信権侵害となるわけです。

参照条文:著作権法第10条8号、第23条第1項、第2条第1項第7の2号、第9の4号および5号

校内放送でCDから音楽を流す場合、公衆送信に当たりますか?またマンションなどの共同住宅ではどうですか?

前者は公衆送信に当たりませんが、後者は公衆送信に当たる場合があります。
公衆送信とは、「公衆によって直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信を行うこと」をいい、

  1. 「放送(=無線通信の送信)
  2. 「有線放送(=有線電気通信の送信)
  3. インターネットなどを通じた「自動公衆送信」
  4. その他の公衆送信(電話申込みに対する手動のファクシミリ送信等)

を指します。校内放送は有線電気送信なので、無線通信である「放送」には当たりません。
それでは、校内放送が「有線放送」に当たるかどうかですが、著作権法では同一構内への送信は、有線電気通信の送信に当たらないと規定しています。これは、コンサート会場における音楽の演奏などの場合は、技術的にはマイクからスピーカーへの音の伝達は電気通信手段によりますが、だからといってこれを有線電気通信と考えるのは常識に合致しません。むしろ、上演・演奏に当たるとするのが自然だと著作権法は考えたからです。したがって、学校内など「同一の構内」でのみ行われる送信は、公衆送信には該当しません。公衆送信ではなく、「演奏(CDの再生を含みます)」に当たります。
なお、非営利・無料・無報酬であれば、著作権者の了解なしに音楽を演奏できますので、校内放送でCDから音楽を流すことは問題ありません。
ところで、「同一構内」とは同一占有者に属する部分をいいますので、マンションのように建物は同一であっても、101号室、102号室といったようにその占有が複数に分かれている場合には、多数の占有者に送信する行為は公衆送信に該当します。

参照条文:著作権法第2条第1項第7の2号、第23条、第22条、第38条

フリーウェアはどのような利用をしても許されますか?

許されない場合が多々あり、注意が必要です。
フリーウェアとは一般に、誰でも無料で自由に利用してよいソフトウェアのことをいいます。しかし、いくら自由な利用を認めていても、著作権まで放棄したものではないことが多いので、許諾なしにどの範囲まで利用を認めているか注意が必要です。また、フリーウェアを作成した著作者の考えも一律ではありませんので、どこまでフリーなのか注意深く確認する必要があります。例えば、個人利用は認めるが、他人への頒布や業務上の利用は認めないなど、個々に条件が設定されている場合があります。後々トラブルが生じないように、フリーウェアの使用上の注意書きや提供の趣旨を確認するようにして下さい。

プログラムを構内LAN経由でホストサーバーから呼び出し、それぞれの端末で使用する場合、著作権者からの許諾は必要ですか?

同一構内であってもプログラムの著作物の場合には、著作権者の許諾が必要です。
同一構内で著作物の有線送信が行われる場合、公衆送信権は働かないという考えをプログラムの著作物にまで及ぼしてしまうと、プログラムの著作権者の利益を著しく害する可能性があります。すなわち、プログラムの著作物の場合、本来ならばそれぞれの端末ごとにプログラムを準備すべきですが、LAN環境の発達により、同一構内においてホスト・コンピューターから各端末のコンピューターにプログラムを送信することによって利用可能となってしまうからです。そこで、著作権法においては、平成9年の法改正により、プログラムに限って、同一構内における公衆への有線送信について「公衆送信」の対象とされることになりました。したがって、著作権者の許諾が必要となります。

参照条文:著作権法第2条第1項第7の2号、第23条

ある講習会に参加し、その講義を録音しました。それを社内の研修会で再生し社員に聞かせようと考えておりますが、著作権法上の問題はありますか?

講演者の許諾が必要です。
講習会の講演のように口頭で無形的に作成されるものでも、それ自体著作物に該当します(言語の著作物)。録音も複製の一種ですので、複製権が働きます。また、テープなどに録音した著作物を再生して公衆に聞かせる行為は、著作物の「口述」に該当するので、口述権が働きます。
もっとも、講演の参加者が私的使用の目的で録音する場合には、「私的使用のための複製」として許されます。これは、個人的または家庭内で行われる複製であれば、量も少なく権利者に与える影響も少ないと考えられたからです。このような著作権法の趣旨からすると、私的使用とは、たとえば家庭内でテレビ放送を録画するといった場合に限られ、社内の研修のために録音する行為は、私的使用のための複製に当たらないと考えられます。
またテープの再生については、特定少数人に対する場合には口述権が働きませんが、社内研修はこれに当たらないので、やはり許諾が必要と考えられます。

参照条文:著作権法第10条第1項第1号、第21条、第2条第1項第15号、第24条、第30条

絵画のレプリカを用いて展覧会を開催する場合、展示権の許諾は必要ですか?

必要ありません。
展示権とは、「美術の著作物の原作品」と「未発行の写真の著作物の原作品」のみを対象として付与されている権利で、これらを公衆向けに「展示」することに関する権利です。「原作品」については、著作権法上定義規定はありませんが、美術の著作物にあっては、画家が描いた絵そのもののことです。したがって、レプリカを用いた場合には、許諾は必要ありません。

参照条文:著作権法第25条

翻訳本を複製する場合、原作者にも許諾を得なければなりませんか?

著作権法第28条により原作者の許諾と翻訳者の許諾が必要です。
著作権法第28条には、「二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する」とあり、二次的著作物の利用に関する原作者の権利が定められています。つまり、二次的著作物は、原著作物に依拠して創作されたものですから、その利用に関しては、原著作者の権利も同様に働くものとされているわけです。翻訳本について言えば、原作者は翻訳本の著作者が有する権利と同様の権利(著作権法第21条から第28条までの権利)を有していることになります。例えば、翻訳本を複製する場合には、翻訳本の著作者(翻訳者)のみならず、原作者からも複製の許諾を得なければなりません。また、著作者人格権についても同様に、翻訳本を出版する際には、原著作者の氏名表示権が働くことに注意しなければなりません。

参照条文:著作権法第27条、第28条

音楽CDを用いて放送する際、どのような権利が関係しますか?

楽曲の著作権者の公衆送信権、実演家の商業用レコード二次使用料請求権、レコード製作者の商業用レコード二次使用料請求権が関係します。
著作権者は公衆送信権を有しており、放送はその一形態に当たります。放送する際には、事前に著作権者から許諾を得ることが原則ですが、大手放送事業者などは(一社)日本音楽著作権協会(JASRAC)等の著作権管理団体と包括契約(放送使用料を包括的に決定して支払う契約であり、1曲ごとに許諾を得る必要はない)を締結しています。
また、実演家およびレコード製作者は、商業用レコードの二次使用料請求権(許諾権ではない)を有し、放送しようとするものは、両者に一定の使用料を支 払う必要があります。ただし現在のところ、二次使用料請求権は(公社)日本芸能実演家団体協議会および(一社)日本レコード協会を通じてそれぞれ行使されています。

参照条文:著作権法第23条、第95条、第97条

電子メールやファックスで著作物を送信するには、著作権法上の権利処理は必要ですか?

不特定または特定多数の者に送信する場合は、許諾が必要です。
公衆送信権が及ぶか及ばないかの問題になります。文字通り「公衆」に向けての送信であれば、公衆送信権が及ぶことになります。著作権法上、「公衆」とは不特定の者または特定多数の者を指し、数名の友人間での送信など、特定少数間での利用は「公衆」には該当しません。したがって、たとえ電子メールやファックスという通信手段であっても、不特定または特定多数の者に送信する場合は、著作権者の許諾が必要となります。

参照条文:著作権法第2条第5項、第23条

ゲームソフトは中古販売してもよいのでしょうか?

最高裁判例では、中古ゲームソフトの販売に対しては、著作権は及ばないとされています。
連続した映像で構成されるゲームソフトは、最高裁判例により「映画の著作物」に当たるとされ、著作権者の頒布権が及ぶと認められています。頒布とは、有償であるか無償であるかを問わず、著作物の複製物を公衆に譲渡したり、貸与したりすることをいいます。ゲームソフトに関しては、「いったん適法に譲渡された後は、頒布権のうち「譲渡する権利」は目的を達して消尽し、中古ゲームソフトの販売に関して著作権は及ばない」とされています。つまり、最初にユーザーが購入した時点で、頒布権のうち「譲渡する権利」は消滅したことになります。

参照条文:著作権法第2条1項19号、第26条 / 最高裁平成14年4月25日判決

海賊版のCD・DVD・ブルーレイディスク・インターネット上の配信情報などを所持することは著作権侵害にあたりますか?

正当な権利に基づく著作物がある一方、そうではない製品や情報等を、その事実を知りながら頒布の目的を以って所持することは、侵害行為とみなされる場合があります。
著作権法第113条第1項第2号によれば、「著作者人格権、著作権、出版権または著作隣接権を侵害する行為によって作成された物を、情を知って、頒布し、若しくは頒布の目的をもつて所持し、または業として輸出し、若しくは業としての輸出の目的をもつて所持する行為」は、当該著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権または著作隣接権を侵害する行為とみなされます。
また、視聴するだけでは侵害行為にあたりませんが、正当な権利に基づいて、有料で公衆に提示・提供されている著作物(『有償著作物』といいます。)については、私的使用の目的であっても、正規の有償著作物の存在やインターネット上の違法アップロードによる海賊版であることを知りつつ、これを録画・録音(ダウンロード)して著作権や著作隣接権を侵害する行為は刑罰の対象となる可能性があります。

参照条文:著作権法第113条第1項第2号、著作権法第119条第3項

マンガ喫茶は貸与権の侵害になりますか?

貸与権の侵害にはならないと考えられます。
マンガ喫茶とは、漫画や雑誌等の書籍を多数揃え、漫画の閲覧などの娯楽サービスを有料で提供する施設のことをいいます。マンガ喫茶は飲食や喫茶よりも漫画などの娯楽サービスを提供することを主な目的としています。また、漫画は著作物の一種であるため、著作権法の適用を受けるものと考えられます。
次に貸与権についてですが、著作権法では「著作者は、その著作物をその複製物の貸与により公衆に提供する権利を占有する」と定めています。なお、ここでいう著作物には、映画の著作物以外の全ての著作物を含みます。
ここで、貸与は貸し渡すこととされていますが、マンガ喫茶で行われている行為は、そこに置かれている書籍を販売しているわけでも、貸し渡しているわけでもありません。マンガ喫茶では、漫画等を展示あるいは閲覧させているにすぎません。したがって、閲覧、展示ならば貸与に当たらないという文化庁の見解に従えば、マンガ喫茶内での漫画の閲覧は「貸与」に該当しないので、貸与権の侵害にはならないものと考えられます(ただし、反対説もあるようです)。

参照条文:著作権法第2条第1項第1号、同第26条の3

上映権の適用範囲について教えて下さい。

上映権は全ての著作物に認められていますが、著作物が映し出される態様によって、上映権の範囲に入ったり入らなかったりします。
上映とは、著作物を映写幕その他の物に映写することをいいます。平成11年の改正以前は映画の著作物および映画の著作物において複製されている著作物に限り認められていました。近年のマルチメディアの発展に伴い、あらゆる著作物が上映の形態をとって利用できるようになってきたことから、平成11年の改正により、著作物をスクリーンやディスプレイ画面等に写し出すことによって、公衆に視覚的あるいは視聴覚的に提示する権利として、全ての著作物に上映権が認められることとなりました。
この上映権とは、著作物を公に上映する権利を占有するものとして著作者に認められた権利です。まず、写真、美術作品などの静止画の利用には、上記説明の通り上映権が働くことになります。しかし、公衆送信される著作物を映写する場合には上映権は働かず、公の伝達権が働くことになります。また、朗読会や演奏会の模様を別な会場でスクリーンに同時に写すときは、上映権は働かず、口述権または演奏権が働きます(公衆が直接受信することを目的とした送信ではないので、公衆送信には当たらない)。しかしながら、朗読会や演奏会の模様を一旦録画し、編集した上で映画の著作物として作成し、この映画に固定されている音を映画の上映を通して再生する場合には、上映権が働くことになります。

参照条文:著作権法第2条第1項第17号、第2条第7項、第22条、第22条の2、第23条、第23条第2項

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