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2012年

会員による行政書士用職務上請求書の偽造の嫌疑についての会長談話

2012年1月25日

東京都行政書士会 会長 中西 豊

マスコミの報道のとおり、平成23年11月11日に、偽造した職務上請求書を使用して戸籍謄本や住民票の写し等を不正取得したとして、司法書士らが偽造有印私文書行使、戸籍法違反等の疑いで逮捕されました。さらにそのなかに行政書士を兼業している者がおり、偽造した日本行政書士会連合会の統一用紙(職務上請求書)を使用して職務上請求により、戸籍謄本や住民票の写し等を不正取得したとして、同年12月13日追送検されました。この者は行政書士としては、本会の会員であり、嫌疑を受けたことは大変遺憾であります。

今般の嫌疑については、日本行政書士会連合会の統一用紙(職務上請求書)自体を偽造するというもので、悪質極まりないものと認識し、その真相の究明と厳正な処分を強く望むものであります。同時に、このような嫌疑が生じることのないよう本会としても十分な注意をしていたものの送検に至ったことは、大変慚愧に堪えません。また国民からの信頼により職務上請求を許された行政書士がこのような嫌疑を受けることは、国民の皆様への背信行為となり、深く反省するところであります。

行政書士の職務上請求の制度は、戸籍法や住民基本台帳法上の制度として認められており、国民の迅速な権利行使に資するものということができます。しかしながら同時に、憲法13条で保障される国民のプライバシー権の侵害の危険性を否定できず、慎重な対応が必要となるものです。

憲法上の人権への配慮という観点から、日本行政書士会連合会の「職務上請求書の適正な使用及び取り扱いに関する規則」のみならず本会でも「東京都行政書士会職務請求書取扱規則」を制定し、かつその周知徹底を行い、不正な職務上請求の防止を図ってまいりました。具体的には新入会員に対して毎月行われる登録証交付式の度に必ず職務上請求制度の説明と適切な使用方法についての指導を行い、また全ての会員を対象に倫理研修を行い、日本行政書士会連合会の統一用紙(職務上請求書)の購入のために、倫理研修の修了を義務づけております。

今後は、職務上請求と人権との関わりについて、さらに深い理解と法律家としての自覚と責任をもって職務執行できるよう、より積極的に取り組みます。そのために、さらに倫理研修を充実させること、いかなる場合でも適正な職務上請求が行いうるよう指導指針を設定し、その具体化明確化を図り、それを周知徹底して参ります。また同時に職務上請求の不正使用については、今回の件をも含めて会としての処分はもとより、都知事への懲戒請求を積極的に行う等、より一層厳格な態度で臨む所存です。

再発防止のためできうる限りの方策を尽くしていまいりますので、国民の皆様方におかれましては、行政書士制度に対するご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

※行政書士が戸籍法等の法令により許された戸籍等の職務請求をすることを職務上請求といい、その際に必要となる申請書は、日本行政書士会連合会が制定した用紙である統一用紙を使用します。

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